(2020/10/31)
 
「そこそこ。砂糖がうまく溶けてないから混ぜないと。」
 
鍋の前で作業している私に父がアドバイスをくれた。砂糖、水飴、水を入れた鍋を現在ぐつぐつと火にかけている。
 
注意深く飴の状態を見ていたつもりだったが見落としてしまったか。しかし父が示す箇所を見ても一向に分からない。ごめん、どこ?
 
「せやからここ。小さいけど透明な塊があるやろ?」
 
ガラスの棒を持ってきて、父はまさに“ここ”というところを指してくれている。“光の反射を見るとわかりやすいかも”とか色々と教えてくれるのだけれど、全く見つけられない。本当にあるのか???
 
「じゃあ取ってみるわな。」
 
ガラスの棒でちょんっと鍋の表面に触れ、父は先端を紙に当てる。そこには間違いなく1mmくらいの透明なものがあった。まじか...。
 
このような砂糖の塊が溶けずに残ってしまうことで、飴の劣化が早まってしまうなどの弊害があるらしい。父もおじいちゃんから指導を受けたそうだ。
 
きちんと見極められるようになるだろうか。不安に思う私の横で、「何杯も炊いてたら分かるようになるよ」と父が気楽な感じで笑っている。
 
〜おわり〜

 
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